第3回デジタルヘルス学会2019の大会長である石井先生の講演内容についてのページです。
講演内容
「コミュニケーションデザインで医療はどう変わるのか?」
氏名 石井 洋介
所属・役職等 日本うんこ学会 会長
この100年で感染症から悪性腫瘍や脳血管疾患といった加齢性の変化に伴う疾患へ疾病構造が変化してきた。
初期症状の強い感染症に比べると、ゆるやかに進展していくことが多い悪性腫瘍や、高血圧や糖尿病などの前駆症状を経て起こる脳血管疾患は初期症状を自覚しにくく、自分の体に関心を持ちにくいという問題が生まれていると考える。
無症状な患者さんに対して、臨床医が持っている知識を外来診察の短い時間で伝え、行動変容や意識変容を促すことは容易なことではないし、ましてや外来受診前の無関心層に医療・健康情報を手に取ってもらうことは困難を極める時代であると言える。
一方でアプリやウェブサイト等のデジタルコミュニケーションによる医療情報発信が進歩してきた時代でもある。
デジタルコミュニケーションを利用し、より効果的な発信をするには①どんなターゲット層に②誰がどんな情報を発信し③どんな変化を期待するかを決めておくことだと考える。
一般的に広告業界、マーケティング業界で進化してきた理論を医療界でも活用することで、より適切なターゲットへ医療情報を届けられる可能性がある。
演者プロフィール
2010年、高知大学卒業。横浜市立市民病院炎症性腸疾患科、厚生労働省医系技官などを歴任。大腸がんなどの知識の普及を目的としたスマホゲーム「うんコレ」を開発。13年には「日本うんこ学会」を設立し、会長に就任。現在は、在宅医療を展開する山手台クリニック院長、秋葉原内科saveクリニック共同代表、ハイズ株式会社SHIP運営代表、一般社団法人高知医療再生機構特任医師。著書に「19歳で人工肛門、偏差値30の僕が医師になって考えたこと」(PHP研究所)など。